【教育環境】現在の教育を取り巻く変化(入試改革)
少し長いのですが、教育を取り巻く環境についてふれていきます(面接では聞かれないと思います)。
大学職員への転職準備を進めるうえで「教育改革」というようなフレーズに出会ったことがあると思います。
大学職員の転職サイトを見ても「現在の教育を取り巻く環境の変化に対応するため…」「選ばれた大学になるべく組織の改革を常に行っており…」など「変革」をキーワードとしているケースが多いです。
現在、高校と大学、そしてそれをつなぐ大学入試で改革が行われています。
すでに多くの専門家やメディアが取り上げられており、検索するとニュースや記事がヒットします。
ですが、全体の流れがわからない中、限定的な範囲について見てもよくわからないのではないでしょうか。
そこで、大枠を簡単に知っておくとそこで述べられた内容も理解しやすいと思い、かいつまんでご紹介したいと思います。
長いのでまとめます。おおきく分けると3点です。
・本来は「高大接続改革」という大枠
・大学入試改革(2021年度入試~)
・大学入試改革(2025年度入試~)
◎本来は「高大接続改革」という大枠
グローバル化が進み、様々な技術革新がすすむ一方、人口減少にともなう困難な時代を迎えることが危惧されています。
そのような時代でも生きていける力を身につけることが教育に求められます。
そこで「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学ぶ態度」の育成が大切だと言われました。
タイトルに(入試改革)と表現していますが、本来は「高大接続改革」として、高校と大学の教育、さらに両者を接続する大学入試を改革するという全体の流れが「高大接続改革」です。その中の大学入試にだけ焦点を当てて「大学入試改革」として表現されることが多いです。
◎大学入試改革(2021年度入試~)
①全体像
現行の大学入試センター試験は、2020年1月の実施を最後に廃止され、翌年の2021年1月からは新しい共通試験である「大学入学共通テスト」がスタートします。
②表記の仕方が異なっているので注意
西暦表記、年度表記、入学選抜年度表記が思い思いに表現されています。
メディアでは「2020年度」「2021年」と表記の仕方が異なっていますが2020年1月の実施ですので同じことを指しているわけです。
ただし、受験産業では2021年度の大学入学者対象の選抜試験ですので、「2021年度入試」として表現されていることもあります。
ここに「令和3年度」などと和暦が入ってくるとわけが分からなくなってきます。
手っ取り早く言えば今の高2生が入試を迎える(今の高3生が浪人した)ときが「大学入学共通テスト」初年度です。
個人的には「2021年度入試」で統一してくれたほうがありがたいのですが。
③英語、国語、数学で変化
・英語
従来の「読む」「聞く」の2技能に「話す」「書く」を加えた4技能を評価することになっており、民間の資格・検定試験を活用することも決まっています。
民間の資格・検定試験と大学入学共通テスト(共通テストの英語は「読む」「聞く」の2技能)を併用する試験方式になります
民間の資格・検定試験で認定されたのは以下の通りです。
・英検CBT
・英検2020 1 day S-CBT
・英検2020 2 days S- Interview
・TEAP
・TEAP CBT
・IELTS
・GTEC
・GTEC CBT
・TOEFL iBT
TOEIC も認定されていましたが、2019年7月に撤退を発表しました。
なお、民間の資格・検定試験の利用については「公平性・平等性が確保されていない」との批判もでています。
今のところ全部で10種類ですか…そのうち6種類の運営団体が英検協会ですね。
英検かGTECが主軸になると個人的には思っています。
・国語、数学
従来のようなマーク型の問題に記述式の問題が加わり、従来のマーク型の問題にも思考力・判断力・表現力を重視した出題に見直すとされています。
具体的には、複数の資料から様々な情報を組み合わせる必要のある問題や、正解が1つに限られない問題などです。
国語の記述は端的にまとめる必要があり、実社会で目にする書類のような内容の出題される可能性があります。
◎大学入試改革(2025年度入試~)
ここは現時点では未定のものが多く、箇条書き程度にしておきます。
①全体像
2025年度入試以降は高等学校の学習指導要領の改訂が予定されていることから、新しい実施方針が発表されることになっています。現中1生が学習指導要領の改訂学年として初の「大学入学共通テスト」を迎えます。
②英語の試験
前述の共通テストの英語は廃止され、民間の資格・検定試験に一本化される予定です。
③記述式問題の拡大
国語、数学だけでなく地歴・公民や理科でも記述問題の導入が検討されています。
④新必修科目「情報」もテストに追加
CBT(コンピュータベースの試験)形式が検討されています。
以上が現在の教育を取り巻く環境です。
それぞれの項目やそれ以外についても、肯定的な意見も出ていれば批判的な意見もあります。
もっと詳しく知りたいという方は各予備校・塾のHPをご覧頂くことをお勧めします。
正直、ここについては組織で取り組むべき内容で、かつ専属の部署で対応するのではなく全学的に取り組む大学がほとんどなのではないでしょうか。
そのような環境下に置かれているという認識をしておけばよいと思います。
大学への転職面接時にたま~に聞かれることがありました。
(多分この質問は選考結果には影響してないと思います…)
次は大学の運営を取り巻く環境を項目ごとにピックアップしたいと思います。
今回は以上です。